ねんきん定期便とは?自分自身で年金受給額を知る方法
サラリーマンが定年になって会社を退職すると、生活費の基になるのは「年金」です。
ただ、誰しも自分にいくらの年金が支給されるのかは分からないというのが実態でした。
それが、平成21年から毎年1回誕生月に、「ねんきん定期便」が日本年金機構から送られてくるようになり、自分の受給できる金額が把握できるようになりました。
なお、ねんきん定期便は圧着ハガキで送られてきますが、35歳、45歳、59歳の人には封書になっています。
封書の場合は年金加入記録に漏れや誤りがあった場合に提出する「年金加入記録回答票」が同封されています。
ねんきん定期便の見方(ハガキタイプ)は?
ねんきん定期便には過去の実績である「年金加入期間」や、加入実績に基づいた「年金額」などが記載されています。
ねんきん定期便に記載されている事項には以下などあります。
照会番号
ねんきん定期便に関する問い合わせ番号。
隣の欄に、公務員共済の加入者番号と私学共済の加入者番号(該当する場合)が記載されています。
これまでの年金加入期間
それぞれの年金に加入していた期間(保険料の納付期間+納付免除期間)が記載されています。
- 国民年金第1号被保険者:自営業者やパート、学生
- 国民年金第3号被保険者:サラリーマンの妻(年収が130万円未満)
- 一般厚生年金:一般企業の会社員
- 公務員厚生年金:公務員
- 私学共済厚生年金:私立学校の教職員
加入期間の右側の欄に、合算された期間が記載されています。
- 年金加入期間合計:上記加入期間の合計
- 合算対象期間:カラ期間とも呼ばれ、過去に国民年金に任意加入していなかった場合などでも、年金の受取に必要な資格期間に含むことのできる期間(年金額の算定には反映されません)。
- 受給資格期間:年金加入期間合計と合算対象期間を合計した期間
これまでの加入実績に応じた年金額とこれまでの保険料納付額(累計額)
- 受給額を知りたい場合はこの欄を見れば、「現時点」で確定している年金額が分かります。
- 老齢基礎年金:「国民年金」から支給される金額
- 老齢厚生年金:「厚生年金」から支給される金額
- 齢厚生年金は一般厚生年金、公務員厚生年金、私学共済厚生年金ごとに記載されています。そして、下段に老齢国民年金と老齢厚生年金を合わせた年金額の合計が記載されています。
- 国民年金保険料:国民年金の納付保険料の合計額
- 厚生年金保険料:厚生年金の納付保険料の合計額
下段に合計額が記載されています。
なお、裏面には保険料の納付における「最近の月別状況」が記載されています。
ねんきん定期便の将来の年金受給額の計算式とは?
ねんきん定期便に載っている金額は「過去の実績」から算出されたものであり、将来受給することになる予定額は載っていません(50代になると、見込年金額が載ったねんきん定期便が送られてきます)。
将来の見込額
将来受け取れる老齢基礎年金の見込額の目安(年額)は以下の式で表せます。
77万9,300円× 保険料納付済月数/480ヶ月
仮に、現在40歳で60歳まで20年(240ヶ月)納付し続けるとすると、77万9,300円×240ヶ月÷480ヶ月で389,650円(年額)が現在の年金額に加算されることになります(凡その金額)。
この金額に厚生年金が加わります。
年金は複雑な計算がなされるため、一般人では正確な金額が算出できませんが、前述した目安で凡その金額がわかるため、老後の生活設計の参考に確認しておくことが大事です。
ちなみに、平成30年からはハガキの郵送ではなく、電子版の「ねんきんネット」に切り換わる予定になっており、今の内に操作を覚えておく必要があります。
パソコンはもちろん、ねんきん定期便に載っているQRコードをスキャンすれば、スマホやタブレットでも見ることができます。
ねんきんネットは最初の登録を完了すれば、次回からは簡単に年金の内容を確認できます。
ねんきんネットの登録手順(ユーザIDの取得)
- 日本年金機構のトップページから「ねんきんネット」をクリックし、「新規登録」をクリックします。
- 「ご利用登録(アクセスキーをお持ちの方)」をクリックします。
- 規約が表示されるので、確認後「同意する」をクリックします。
- アクセスキー、基礎年金番号、メールアドレス、パスワード、連絡先などを入力し、「申込み内容を確認」をクリックします。
- 入力内容を確認し、誤りが無ければ「申込み」をクリックします。申込みが完了すると、申請受付番号が画面に表示されます。
- しばらくして、登録したメールアドレスにユーザID確認メールが届きます。メール内のリンクをクリックして画面を開き、登録したパスワードを入力し、「ユーザID確認」をクリックします。
- ユーザID確認の画面が表示されたら完了です。なお、ユーザIDは印刷するか、データに保管するなど、無くさないようにします。
年金を滞納したらどうなるの?
消費者金融から多額の借金をしている自営業者で多重債務者は、年金を払わずに滞納しているケースがよくあります。
国民年金は数年払わないと、最悪差し押さえされる可能性もあります。
お金借りる即日などで借金を重ねている人は、消費者金融への返済も、もちろんしなければなりませんが、年金は滞納すると遡って請求されますので、注意が必要です。
自己破産しても年金は免責はされません。
会社員の人は、会社が厚生年金に加入していれば天引きされるので大丈夫ですが、自営業者の人は、自分で国民年金を払わなければなりません。
もし払うのが厳しいようなら、市役所の年金課に行って相談しましょう。滞納を放置するのは一番危険です。